ヌーベルレプブリック紙記事

   <レイコのシクラメン>

何という魅力的な美しさ!繊細さ!シャルル10世館(サンシール市役所内・公園)で開催されているタカハシ レイコの作品の数々には!

まずシクラメンについて言わなければならないだろう。これは彼女の今回の展覧会の主題となっていて、特に詩的な世界を生み出している。
「フランスのパークで自然に生えているこのシクラメンの花々をみるや、私はその虜になってしまいました」と、レイコは語る。

この日本人画家の作品の数々には、彼女が長く住み第二の故郷と化したこの町に対する愛着・溶け込んだ感性が見られる。
ラ・ペロディエール(この公園の名称)、噴水のある芝生、パーク・ドゥ・ラ・トゥールの館、ロワール川を見下ろす教会のすくっと立つ尖塔は、レイコの咲き誇る花々や、木々の雄大さによって、より生気を増している。

レイコは、細部に至る細やかな手法を持っている。彼女の作品には、時には、非常に大きな油彩画があるが、その絵の中にも、シクラメンの花の一輪一輪、葉の一枚一枚にいたるまで、繊細に描かれていて、数え切れない小さな作業が全体を作り出し、印象派の作品を思い起こさずにはいられない。
「私は、光と遊ぶのが好きです」と、このアーチストが言うように、実際、その素晴しい光線の具合によって、木々の根元に当たる暖かい光や神秘的な雰囲気が醸し出されている。

レイコの風景画の多くには、このトゥーレーヌ地方が描かれている。シャトニエール城で受賞した作品もそのひとつである。この地に根ざしながら、この画家は、日本的な感覚も忘れてはいない。この展覧会では、古典的な日本風作品の数々も見られる。

“墨絵”が、そうであり、また、墨汁と水彩を組み合わせた画法や、更には、書道・折り紙作品に見られる。
  
一方では、バラの花が中心となる、非常に生き生きとした諧調を見せる水彩画の花束は、その繊細な輪郭の線が、シルクスクリーンの絵を鑑賞しているような気にさせられる。 このブーケ作品のうちのひとつ”結婚記念日のブーケ”は、2005年度トゥレーヌ芸術と詩のサロンにて、グランプリを受賞している。

この芸術家、レイコは、個展会場内に、彼女が教えているベシェルリ中学校生徒の書道作品コーナーも、設けている。

展覧会では、伝統的なものから現代風な作風まで、非常に幅広く、芸術性と豊麗さを持つ彼女の作品を鑑賞することができる。




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